理論問題-原価計算基準-7(標準原価計算について)

タップできるもくじ

第三章 標準原価の計算

四〇 標準原価算定の目的

標準原価算定の目的としては、おおむね次のものをあげることができる。
(一) 原価管理を効果的にするための原価の標準として(        )を設定する。これは標準原価を設定する最も重要な目的である。

答はこちら

標準原価

(二) 標準原価は、真実の原価として仕掛品、製品等のたな卸資産価額および売上原価の算定の基礎となる。

(三) 標準原価は、予算とくに見積財務諸表の作成に、信頼しうる基礎を提供する。

(四) 標準原価は、これを勘定組織の中に組み入れることによって、記帳を簡略化し、じん速化する。

四一 標準原価の算定

標準原価は、直接材料費、直接労務費等の直接費および製造間接費について、さらに(        )について算定する。

答はこちら

製品原価

原価要素の標準は、原則として物量標準と価格標準との両面を考慮して算定する。
(一) 標準直接材料費
1 標準直接材料費は、直接材料の種類ごとに、製品単位当たりの(        )と標準価格とを定め、両者を乗じて算定する。

答はこちら

標準消費量

2 標準消費量については、製品の生産に必要な各種素材、部品等の種類、品質、加工の方法および順序等を定め、科学的、統計的調査により製品単位当たりの各種材料の標準消費量を定める。標準消費量は、通常生ずると認められる程度の減損、仕損等の消費余裕を含む。
3 標準価格は、予定価格又は正常価格とする。
(二) 標準直接労務費
1 標準直接労務費は、直接作業の区分ごとに、製品単位当たりの直接作業の(     )と標準賃率とを定め、両者を乗じて算定する。

答はこちら

標準時間

2 標準直接作業時間については、製品の生産に必要な作業の種類別、使用機械工具、作業の方法および順序、各作業に従事する労働の等級等を定め、作業研究、時間研究その他経営の実情に応ずる科学的、統計的調査により製品単位当たりの各区分作業の標準時間を定める。

標準時間は、通常生ずると認められる程度の疲労、身体的必要、手待等の時間的余裕を含む。
3 標準賃率は、予定賃率又は正常賃率とする。
(三) 製造間接費の標準
製造間接費の標準は、これを部門別(又はこれを細分した作業単位別、以下これを「部門」という。)に算定する。

部門別製造間接費の標準とは、一定期間において各部門に発生すべき製造間接費の予定額をいい、これを部門間接費予算として算定する。

その算定方法は、第二章第四節三三の(四)に定める実際原価の計算における部門別計算の手続に準ずる。部門間接費予算は、固定予算又は(    )として設定する。

答はこちら

変動予算

1 固定予算
製造間接費予算を、予算期間において予期される一定の操業度に基づいて算定する場合に、これを固定予算となづける。

各部門別の固定予算は、一定の限度内において原価管理に役立つのみでなく、製品に対する(          )の算定の基礎となる。

答はこちら

標準間接費配賦率

2 変動予算
製造間接費の管理をさらに有効にするために、変動予算を設定する。変動予算とは、製造間接費予算を、予算期間に予期される範囲内における種々の操業度に対応して算定した予算をいい、(      )を当該操業度の予算と比較して、部門の業績を管理することを可能にする。

答はこちら

実際間接費額

変動予算の算定は、実査法、公式法等による。
(1) 実査法による場合には、一定の基準となる操業度(以下これを「(           )」という。)

答はこちら

基準操業度

を中心として、予期される範囲内の種々の操業度を、一定間隔に設け、各操業度に応ずる複数の製造間接費予算をあらかじめ算定列記する。

この場合、各操業度に応ずる間接費予算額は、個々の間接費項目につき、各操業度における額を個別的に実査して算定する。

この変動予算における基準操業度は、固定予算算定の基礎となる操業度である。

(2) 公式法による場合には、製造間接費要素を第二章第四節三三の(四)に定める方法により固定費と変動費とに分け、固定費は、操業度の増減にかかわりなく一定とし、変動費は、操業度の増減との関連における各変動費要素又は変動費要素群の変動費率をあらかじめ測定しておき、これにそのつどの関係操業度を乗じて算定する。

(四) 標準製品原価

標準製品原価は、製品の一定単位につき標準直接材料費、標準直接労務費等を集計し、これに標準間接費配賦率に基づいて算定した標準間接費配賦額を加えて算定する。

標準間接費配賦率は固定予算算定の基礎となる操業度ならびにこの操業度における標準間接費を基礎として算定する。

標準原価計算において加工費の配賦計算を行なう場合には、部門加工費の標準を定める。その算定は、(       )の標準の算定に準ずる。

答はこちら

製造間接費

四二 標準原価の改訂

標準原価は、原価管理のためにも、予算編成のためにも、また、たな卸資産価額および売上原価算定のためにも、現状に即した標準でなければならないから、常にその適否を吟味し、機械設備、生産方式等生産の基本条件ならびに材料価格、賃率等に重大な変化が生じた場合には、現状に即するようにこれを改訂する。

今回の理論問題のポイント

この簿記1級の理論問題の要点をまとめた解説は以下の通りです。

第三章 標準原価の計算

四〇 標準原価算定の目的

標準原価算定の主な目的は、効果的な原価管理を可能にするための基準として機能させることです。これには以下の点が含まれます:

  1. 原価の標準設定:原価管理のため、真実の原価としての機能を果たします。これにより、仕掛品や製品の在庫資産の評価および売上原価の算定に役立てます。
  2. 予算作成:標準原価は、見積もりや財務報告書の作成における信頼できる基礎を提供します。
  3. 記帳の簡素化:標準原価を会計システムに組み込むことで、記帳プロセスを簡素化し、迅速化します。

四一 標準原価の算定

標準原価の算定には、直接材料費、直接労務費、および製造間接費が含まれ、それぞれの原価要素について物量標準と価格標準を設定します。

  • 直接材料費:製品ごとの材料の標準消費量と標準価格を定めます。標準消費量は、製品の生産に必要な材料の種類や品質、加工方法などを考慮して科学的、統計的に調査して決定されます。
  • 直接労務費:製品ごとの直接作業の標準時間と標準賃率を定めます。標準時間は、作業研究や時間研究などにより、科学的、統計的に決定されます。
  • 製造間接費:部門別に標準間接費を算定します。これには固定予算と変動予算の設定が含まれ、製品の標準原価計算の基礎となります。

四二 標準原価の改訂

標準原価は定期的に見直し、生産条件や材料価格、賃率などに重大な変化があった場合には、これを現状に即して改訂する必要があります。これにより、標準原価が常に実際の生産状況を正確に反映するように保証されます。

このように、標準原価計算は原価管理、予算編成、財務報告の精度を高めるために重要な役割を果たし、企業の経営効率の向上に寄与します。

あわせて読みたい!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

簿記2級を取得し、現在簿記1級を勉強中。
学んだことを忘れないようにここでまとめてます。
普段は、会社で経理をしながら、経理・簿記関係の情報を発信。
Twitterもやってますので良かったらフォローお願いします。

タップできるもくじ