次の資料から、標準原価による完成品原価と月末仕掛品原価を計算しなさい。
①生産数量(材料は始点投入、()は加工進捗度を示す。
月初仕掛品 | 400個 | (1/4) |
当月投入 | 7200個 | |
合計 | 7600個 | |
月末仕掛品 | 500個 | (3/5) |
完成品 | 7100個 |
②標準原価計算資料
標準消費量 | 標準価格 | 金額 | |
標準直接材料費 | 3個 | @100円 | 300円 |
標準直接作業時間 | 標準賃率 | ||
標準直接労務費 | 0.4時間 | @200円 | 80円 |
標準直接作業時間 | 標準配賦率 | ||
標準製造間接費 | 0.4時間 | @300円 | 120円 |
製品1個あたりの標準原価 | 500円 |
完成品原価 3,550,000円
月末仕掛品原価 210,000円
標準原価による完成品原価の計算方法
標準原価計算の完成品原価の計算は、完成品数量にあらかじめ設定した原価標準をかけて計算します。
完成品原価=完成品数量×原価標準(1製品あたりの標準原価)
今回の問題だと次のようになります。
完成品原価 7,100個×500円=3,550,000円
その内訳は次の通りです。
- 標準直接材料費 7,100個×300円=2,130,000円
- 標準直接労務費:7,100個×80円=568,000円
- 標準製造間接費7,100個×120円=852,000円
標準原価による月末仕掛品原価の計算方法
月末仕掛品原価の計算は、完成品原価と同様に原価標準で計算します。
ただ、月末仕掛品原価の計算は、加工進捗度を考えるため、直接材料費と加工費に相当する直接労務費、製造間接費とを分けて計算します。
材料が工程の始点で投入される場合、標準直接材料費は月末仕掛品数量に1製品あたりの標準直接材料費をかけて計算し、標準直接労務費、標準製造間接費は月末仕掛品換算量に1製品あたりの標準直接労務費、標準製造間接費をかけて計算します。
- 月末仕掛品原価=標準直接材料費+標準直接労務費+標準製造間接費
- 標準直接材料費=仕掛品数量X1製品あたりの標準直接材料費
- 標準直接労務費=仕掛品換算量X1製品あたりの標準直接労務費
- 標準製造間接費=仕掛品換算量X1製品あたりの標準製造間接費
なお、月末仕掛品原価は翌月の月初仕掛品原価となるため、月初仕掛品原価も月末仕掛品原価と同様に標準原価で計算します。
今回の問題だと次のようになります。
- 標準直接材料費 500個×300円=150,000円
- 標準直接労務費 500個×3/5×80円= 24,000円
- 標準製造間接費 500個×3/5×120円= 36,000円
合計で210,000円となります。
その他の問題は「工業簿記・原価計算の全体像(会計の区分、原価計算の分類)、「材料費の分類と購入時の処理など。
理論問題は「理論問題-原価計算基準-1」