外貨建取引の基本仕訳を完全解説:前払・到着・決済時の処理手順

問題

<外貨建取引の取引の基本~前払・商品到着時・決済時の仕訳~>

問A:5/10東京㈱はアメリカのマイケル㈱から商品を10ドルで輸入する契約し手付として1ドルを現金で支払った。(5/10為替相場1ドル=100円)

問B:5/20東京㈱は①の商品を受け取った。残額の9ドルは翌月末に支払う予定である(5/20為替相場1ドル=110円)

問C:6/30東京㈱は②の残額9ドルを現金で支払った(6/30為替相場1ドル=113円)

<外貨建取引の決算時の仕訳>

決算をむかえ、外貨建ての資産の状況は下記の通りであった。必要な仕訳をしなさい。

(決算日1ドル=109円)

帳簿価格(円)帳簿価格(ドル)発生時のレート
現金8088101
売掛金7147102
前払金6186103
買掛金4164104
前受金5255105
借入金106010106
<答え>
借 方金 額貸 方金 額
A前払金100現金100
B仕入1,090前払金100
買掛金990
C買掛金990現金1,017
為替差損益27
借 方金 額貸 方金 額
現金64為替差損益64
売掛金49為替差損益49
仕訳不要
為替差損益20買掛金20
仕訳不要
為替差損益30借入金30
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外貨建取引の原則

基本、外国の為替で行う取引の場合、日本円に換算して処理し、発生日のレートで処理します。

今回の取引の為替相場の動きといつの相場(レート)で計算するかをまとめると下記のようになります。

【問題】外貨建取引の取引の基本~前払・商品到着時・決済時の仕訳~

A:前払時の仕訳

前払の際は、発生日の為替レートで処理します。

今回は発生日のレートが1ドル=100円なので、1ドルx100円=100円となります。

B:商品到着時の仕訳

原則通り発生日のレートで処理します。

買掛金=990円(9ドルx110円(5/20為替相場レート)

前払金=100円(①の金額のまま)

仕入価格=1,090円(買掛金+前払金)

仕入価格を商品到着時のレートで計算してはいけません。足す必要があります。

C:残額支払い時の仕訳

買掛金=990円(Bのまま)

現金=1,017円(6/30為替相場1ドル=113円)

この2つの差額は為替差損益となります。

為替差損益=27円(1,017円ー990円)

為替差損益は営業外損益です。

外貨建て取引の決算のポイント

外貨建ての資産負債は換算替えしなくてはなりません。

再計算する・しないは以下の通りです。イメージとしては「前払」のように支払ったのが過去なら昔のレートでです。

科目ごとの決算日価格と為替差損益

帳簿価格(円)再計算〇×帳簿価格(ドル)決算日価格為替差損益
現金808887264
売掛金714776349
前払金618×6
買掛金416443620
前受金525×5
借入金106010109030

決算日1ドル=109円です。

上の通り為替差損益が発生します。

例えば現金は、決算日の再計算の必要があります。

決算日の現金は8ドルx109円=872円となります。

872円-808円=64円が為替差損益となります。

仕訳は

現金 64円 為替差損益 64円となります。

その他の科目も同様です。

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この記事を書いた人

簿記2級を取得し、現在簿記1級を勉強中。
学んだことを忘れないようにここでまとめてます。
普段は、会社で経理をしながら、経理・簿記関係の情報を発信。
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