問1
当社はA製品とB製品の2種類の製品を生産・販売しています。これらの製品の生産には、共通の機械設備を使用しており、その年間総稼働時間は最大で4,500時間です。
以下の資料に基づき、A製品のみを生産する場合の年間生産可能量と、B製品のみを生産する場合の年間生産可能量をそれぞれ計算しなさい。
資料
- A製品1個の生産に必要な機械作業時間:3時間
- B製品1個の生産に必要な機械作業時間:2時間
問2
当社はC製品とD製品を生産・販売しています。共通の機械作業時間には年間3,000時間の制約があります。以下の資料に基づき、次期の最適セールス・ミックス(C製品とD製品の生産販売量)とそのときの総貢献利益を求めなさい。
なお、製品の在庫は考慮せず、生産量=販売量とします。
資料
項目 | C製品 | D製品 |
---|---|---|
販売単価 | @800円 | @600円 |
変動費 | @300円 | @250円 |
1個あたり貢献利益 | @500円 | @350円 |
1個あたり機械作業時間 | 2時間 | 1時間 |
総需要量 | 1,200個 | 2,500個 |
問3
問2の資料に加え、以下の固定費が予想される場合、問2で求めた最適セールス・ミックスにおける営業利益を計算しなさい。
資料
- 固定製造原価:280,000円
- 固定販売費及び一般管理費:120,000円
問4
当社はX製品とY製品を生産・販売しており、次期の生産計画をリニア・プログラミングで策定することにしました。以下の資料に基づき、リニア・プログラミングにおける目的関数と、材料調達に関する制約条件の数式を記述しなさい。なお、X製品の生産販売量をX、Y製品の生産販売量をYとして数式を立てること。
資料
項目 | X製品 | Y製品 |
---|---|---|
販売単価 | @1,000円 | @750円 |
変動費 | @450円 | @300円 |
1個あたり貢献利益 | @550円 | @450円 |
1個あたり機械作業時間 | 3時間 | 2時間 |
1個あたり材料消費量 | 4kg | 3kg |
制約条件
- A製品とB製品の生産に共通的に使用する機械の年間総作業時間は4,800時間までである。
- A製品とB製品の生産に共通的に使用する材料の年間総調達可能量は6,000kgまでである。
- A製品の総需要量は1,000個、B製品の総需要量は1,500個である。
問5
問4のリニア・プログラミング問題において、すべての制約条件を考慮した結果、実行可能領域の頂点として以下の3つのセールス・ミックスが候補となりました。X製品の貢献利益は@550円、Y製品の貢献利益は@450円です。
これらの候補の中から、最も貢献利益が最大となる最適セールス・ミックス(X製品、Y製品の生産販売量)とそのときの総貢献利益を求めなさい。
- 候補点ア: (X 0個, Y 1,500個)
- 候補点イ: (X 600個, Y 1,200個)
- 候補点ウ: (X 1,000個, Y 900個)
問1
- A製品の年間生産可能量:1,500個
- B製品の年間生産可能量:2,250個
問2
- 最適セールス・ミックス(C製品、D製品)=(250個、2,500個)
- 総貢献利益:975,000円
問3
- 営業利益:575,000円
問4
- 目的関数:
Max Z = 550X + 450Y
- 材料調達に関する制約条件の数式:
4X + 3Y ≦ 6,000
問5
- 最も貢献利益が最大となる最適セールス・ミックス:(X製品 1,000個, Y製品 900個)
- 総貢献利益:955,000円
最適セールス・ミックスとリニア・プログラミング
本章では、企業が複数の製品を生産・販売している場合に、どのようにすれば最大の利益を得られるか、その製品の組み合わせ(セールス・ミックス)を決定する方法について学習します。特に、企業が直面する様々な制約条件の中で、最も効率的な生産・販売計画を立てるための考え方や手法を掘り下げていきます。
最適セールス・ミックスとは
まず、「セールス・ミックス」とは、企業が複数の製品を生産販売しているときに、各製品を何個ずつ生産・販売するかという量の組み合わせを指します。この各製品の生産・販売量の組み合わせによって、企業が得られる貢献利益(または営業利益)は変動します。
そして、「最適セールス・ミックス」とは、数あるセールス・ミックスの組み合わせの中から、企業の利益を最大にする最適な組み合わせのことです。たとえば、当初の予算案では目標利益に届かない場合に、製品の生産・販売量を再検討し、利益を最大化する組み合わせを見つけることが、この学習のテーマとなります。
企業における制約条件
企業は、製品を無限に生産販売することはできません。必ず何らかの「制約条件」が存在するためです。もし制約条件が一切なければ、無限に生産・販売し、無限の利益を得られることになりますが、そのような企業は現実には存在しません。
これらの制約条件は大きく分けて二つあります。
- 生産上の制約条件: これは、複数の製品に共通して使用される資源(例えば、機械の総作業時間、材料の総調達量、熟練労働者の時間など)に関する制約です。これらの資源は限られているため、各製品にどれだけ割り当てるかが重要になります。今後の学習において、最も重要になるのがこの「各製品に共通する生産上の制約条件」です。
- 例:A製品とB製品の生産に共通的に使用する機械の年間総作業時間は2,000時間まで。
- 販売上の制約条件: これは、市場の需要や販売チャネルの能力によって、各製品を販売できる量に上限があるという制約です。
- 例:製品の総需要量(販売可能量)は各500個まで。
最適セールス・ミックスの決定方法:単一制約の場合
各製品に共通する制約条件が「一つだけ」の場合、最適セールス・ミックスを決定する基本的な考え方は、**「制約となっている資源1単位あたり、どれだけ多くの貢献利益が得られるか」**という視点で、製品の生産優先順位を決定することです。
例えば、機械作業時間が共通の制約条件である場合、製品1個あたりの貢献利益が高い製品が必ずしも優先されるとは限りません。重要なのは、その制約となっている機械作業時間1時間あたりに、どちらの製品がより多くの貢献利益を生み出すか、という点です。
決定の手順:
- 各製品の「制約資源1単位あたり貢献利益」を計算し、比較する。
- 計算式:1個あたり貢献利益 ÷ 1個の生産に必要な制約資源量。
- 数値が大きい製品ほど、制約資源を効率的に活用できるため、優先的に生産・販売すべきと判断されます。
- 優先順位の高い製品から、販売上の制約条件(総需要量)の範囲内で最大限生産・販売する。
- この際、生産可能量が総需要量を超過する場合は、総需要量を上限とします。
- 残った制約資源を、次に優先順位の高い製品に割り当て、同様に生産・販売量を決定する。
- この製品も、販売上の制約条件(総需要量)の範囲内で生産・販売量を決定します。
- 決定された最適セールス・ミックスにおける総貢献利益を計算する。
- 総貢献利益から固定費を差し引いて、営業利益を計算する。
- 一般的に、この計算では製品の在庫は考慮せず、生産量=販売量と仮定します。固定費の差し引き忘れに注意が必要です。
最適セールス・ミックスの決定方法:複数制約の場合 (リニア・プログラミング)
前述の単一制約の場合の決定方法は、各製品に共通する制約条件が複数ある場合には、適用できないことがあります。なぜなら、制約の種類によって、優先すべき製品の判断が異なる可能性があるためです。
このような複数の共通制約条件がある状況で、最適セールス・ミックスを求める強力な方法が、「リニア・プログラミング(LP、線型計画法)」です。リニア・プログラミングでは、制約条件や利益を数式化し、グラフを用いて最適な生産・販売量の組み合わせを特定します。
リニア・プログラミングの構成要素
リニア・プログラミングは、以下の要素で構成されます。
- 目的関数 (Objective Function):
- 企業の目標である貢献利益の最大化(または営業利益の最大化)を数式で表したものです。
- 例:A製品の生産販売量をA、B製品の生産販売量をB、貢献利益をZとすると、
Max Z = 350A + 200B
のように記述します (Max
は「最大化する」という意味です)。
- 制約条件 (Constraints):
- 機械作業時間、材料調達量、販売可能量など、企業が直面するすべての制約を数式で表現します。これらは通常、不等式で表されます。
- 例:
- 機械作業時間の制約(A製品2時間/個、B製品1時間/個、総時間2,000時間):
2A + B ≦ 2,000
- 材料調達の制約(A製品2kg/個、B製品4kg/個、総量4,400kg):
2A + 4B ≦ 4,400
- 販売上の制約(A製品の総需要量800個、B製品の総需要量1,500個):
A ≦ 800
、B ≦ 1,500
- 機械作業時間の制約(A製品2時間/個、B製品1時間/個、総時間2,000時間):
- 非負条件 (Non-negativity Condition):
- 生産販売量はマイナスになることはない、つまりゼロ以上であるという条件です。
- 例:
A ≧ 0
、B ≧ 0
グラフを用いた最適セールス・ミックスの特定
リニア・プログラミングでは、設定した制約条件の数式をグラフ上に直線として描画します。
- 各制約条件の直線をグラフに描く。
- 不等式を等式(例:
2A + B = 2,000
)と見なして、2つの軸(AとB)上の切片を求めると簡単に直線が描けます。
- 不等式を等式(例:
- すべての制約条件を満たす「実行可能領域」を特定する。
- これは、企業が実際に選択できる生産販売量の組み合わせの範囲を示します。この領域の外側の組み合わせは、制約により実現不可能です。
- 実行可能領域の「頂点(角の点)」を特定する。
- 最適セールス・ミックスの候補は、この実行可能領域の頂点に存在します。複数の直線の交点として求められることが多いです。連立方程式を解くことで、各頂点の生産販売量(AとBの値)を求めます。
- 各頂点における貢献利益を計算し、最も貢献利益の大きい組み合わせを最適セールス・ミックスとして決定する。
- 最適セールス・ミックスが決定されたら、そのときの貢献利益から固定費を差し引いて、営業利益を計算します。
リニア・プログラミングは、一見複雑に見えますが、制約条件を正確に数式化し、グラフ化する練習を繰り返すことで、効率的に最適解を見つけることができるようになります。
【問題解説】
問1:年間生産可能量の計算
この問題は、企業が共通して使用する機械の年間総作業時間が制約となる中で、A製品だけ、またはB製品だけを生産すると仮定した場合のそれぞれの最大生産量を求める基本的な問題です。この種の計算は、最適セールス・ミックスを考える上で、制約条件の具体的な影響を理解するための第一歩となります。
考え方と解法手順:
- 総利用可能時間の確認: まず、共通の制約資源である機械の年間総作業時間(4,500時間)を確認します。この時間が、両製品の生産に最大限利用できる時間の上限となります。
- A製品のみを生産する場合の計算: A製品のみを生産するという仮定のもとでは、機械の総作業時間4,500時間のすべてをA製品の生産に割り当てることができます。A製品1個の生産に必要な作業時間が3時間であるため、総作業時間を1個あたりの作業時間で割ることで、A製品の年間生産可能量を求めることができます。
- 計算式:総作業時間 ÷ A製品1個あたり作業時間
- B製品のみを生産する場合の計算: 同様に、B製品のみを生産するという仮定のもとでは、機械の総作業時間4,500時間をすべてB製品の生産に割り当てます。B製品1個の生産に必要な作業時間が2時間であるため、総作業時間を1個あたりの作業時間で割ることで、B製品の年間生産可能量を求めることができます。
- 計算式:総作業時間 ÷ B製品1個あたり作業時間
これらの計算を通じて、限られた資源の中で各製品が単独でどれだけの生産能力を持つかを明確に把握できます。これは、後の最適セールス・ミックス決定において、各製品の「最大生産能力」を知るための重要なステップとなります。
問2:最適セールス・ミックスと総貢献利益の計算
この問題は、共通の生産上の制約条件(機械作業時間)と販売上の制約条件(総需要量)が存在する中で、企業の利益を最大化する最適な製品の組み合わせ(最適セールス・ミックス)とその際の総貢献利益を求める問題です。単一の共通制約条件がある場合の基本的な最適セールス・ミックス決定手順に則って解き進めます。
考え方と解法手順:
- 優先順位の決定: 共通の制約資源である機械作業時間1時間あたりに、どちらの製品がより多くの貢献利益を生み出すかを計算し、生産の優先順位を決定します。
- C製品の機械作業1時間あたり貢献利益:\(500円 \div 2時間 = 250円\)
- D製品の機械作業1時間あたり貢献利益:\(350円 \div 1時間 = 350円\)
- D製品のほうが1時間あたりの貢献利益が大きいため、D製品を優先的に生産・販売すべきと判断します。
- 優先製品(D製品)の生産販売量決定: 優先製品であるD製品の生産販売量を決定します。この際、機械の総利用可能時間とD製品の総需要量の両方を考慮します。
- 機械の総利用可能時間2,500時間をD製品のみに割り当てた場合の生産可能量:\(2,500時間 \div 1時間 = 2,500個\)
- D製品の総需要量は2,500個です。
- 生産可能量(2,500個)と総需要量(2,500個)が等しいため、D製品は需要量上限である2,500個を生産販売します。
- 残りの機械作業時間の計算: D製品の生産に割り当てられた機械作業時間を計算し、総利用可能時間から差し引いて、残りの時間を算出します。この残りの時間が、次に優先される製品(C製品)に割り当てられる時間となります。
- D製品2,500個の生産に必要な作業時間:\(1時間 \times 2,500個 = 2,500時間\)
- 残りの機械作業時間:\(3,000時間 – 2,500時間 = 500時間\)
- 次製品(C製品)の生産販売量決定: 残った機械作業時間500時間を使って、C製品をどれだけ生産できるかを計算し、C製品の総需要量と比較して生産販売量を決定します。
- C製品の生産可能量:\(500時間 \div 2時間 = 250個\)
- C製品の総需要量は1,200個です。
- 生産可能量(250個)が総需要量(1,200個)を下回るため、C製品は生産可能量の上限である250個を生産販売します。
- 総貢献利益の計算: 決定したC製品とD製品の生産販売量に、それぞれの1個あたり貢献利益を乗じて、総貢献利益を算出します。
- C製品貢献利益:\(500円 \times 250個\)
- D製品貢献利益:\(350円 \times 2,500個\)
- これらを合計したものが、最適セールス・ミックスにおける総貢献利益となります。
この問題では、単一制約における優先順位付けと、販売上の制約も考慮に入れた最適な配分方法を理解することが重要です。
問3:営業利益の計算
この問題は、問2で求めた最適セールス・ミックスを前提として、最終的な企業の営業利益を計算する問題です。貢献利益と営業利益の関係、特に固定費の扱いについて正確に理解しているかが問われます。
考え方と解法手順:
- 総貢献利益の確認: まず、問2で計算した最適セールス・ミックスにおける総貢献利益の金額を確認します。これは、変動費を差し引いた後の利益であり、固定費を回収するための源泉となります。
- 固定費の確認: 問題で与えられている固定製造原価と固定販売費及び一般管理費の合計額を確認します。これらは生産販売量に関わらず発生する費用であり、総貢献利益から差し引く必要があります。
- 営業利益の計算: 総貢献利益から、確認したすべての固定費を差し引くことで、最終的な営業利益を算出します。
- 計算式:総貢献利益 - 固定製造原価 - 固定販売費及び一般管理費
- 固定費を計上し忘れると、利益額が過大に計算されてしまうため、注意が必要です。
この問題を通じて、貢献利益と営業利益の違い、そして固定費が利益計算においてどのような役割を果たすかを再確認できます。最適セールス・ミックスの決定は貢献利益の最大化を目指しますが、最終的な企業の成績は営業利益で評価されるため、このステップは不可欠です。
問4:目的関数と制約条件の数式化
この問題は、リニア・プログラミングの第一歩として、計算の目的(目的関数)と企業の制約(制約条件)を適切な数式で表現する能力を問うものです。リニア・プログラミングでは、与えられた情報を正確に数式に落とし込むことが、最適な解を導き出す上で最も重要な土台となります。
考え方と解法手順:
- 目的関数の設定:
- 目的関数は、最大化したい指標(この場合は総貢献利益)を数式で表現します。
- X製品とY製品の1個あたり貢献利益と、それぞれの生産販売量を掛け合わせて合計することで、総貢献利益を表すことができます。
- 「Max Z = …」の形式で記述します。
- X製品の生産販売量をX、Y製品の生産販売量をYとします。
- X製品の貢献利益:@550円、Y製品の貢献利益:@450円。
- 目的関数:
Max Z = 550X + 450Y
- 材料調達に関する制約条件の数式化:
- 制約条件は、限られた資源や能力の範囲を不等式で示します。
- 問題文から、材料の年間総調達可能量が6,000kgまでという制約があります。
- X製品1個あたり4kg、Y製品1個あたり3kgの材料を消費します。
- X製品の材料消費量:
4kg × X個 = 4X
- Y製品の材料消費量:
3kg × Y個 = 3Y
- これらの合計が、総調達可能量6,000kgを超えることはできません。
- 制約条件の数式:
4X + 3Y ≦ 6,000
その他の制約条件(機械作業時間、販売上の制約)も同様に数式化されますが、本問では材料調達に関するもののみが求められています。非負条件(X ≧ 0, Y ≧ 0)も常に考慮される点です。数式を正確に立てることで、リニア・プログラミングを用いたグラフ分析や計算へと進む準備が整います。
問5:最適セールス・ミックスの特定
この問題は、リニア・プログラミングの最終段階において、グラフで特定された実行可能領域の各頂点(候補点)の中から、最も貢献利益が最大となる最適セールス・ミックスを特定する能力を問うものです。リニア・プログラミングでは、最適な解が必ず実行可能領域の頂点(角の点)に存在するという特性を利用します。
考え方と解法手順:
- 各候補点の貢献利益計算: 与えられた3つの候補点(ア、イ、ウ)について、それぞれのX製品とY製品の生産販売量を用いて、総貢献利益を個別に計算します。
- X製品1個あたり貢献利益:@550円
- Y製品1個あたり貢献利益:@450円
- 候補点アの貢献利益:
- X製品0個、Y製品1,500個
- 貢献利益:\((550円 \times 0個) + (450円 \times 1,500個) = 675,000円\)
- 候補点イの貢献利益:
- X製品600個、Y製品1,200個
- 貢献利益:\((550円 \times 600個) + (450円 \times 1,200個) = 330,000円 + 540,000円 = 870,000円\)
- 候補点ウの貢献利益:
- X製品1,000個、Y製品900個
- 貢献利益:\((550円 \times 1,000個) + (450円 \times 900個) = 550,000円 + 405,000円 = 955,000円\)
- 最大貢献利益の特定: 計算した各候補点の貢献利益を比較し、最も大きな貢献利益をもたらす組み合わせを最適セールス・ミックスとして選択します。
このプロセスを通じて、リニア・プログラミングにおける最適解の探索が、候補点の評価という形で具体的に行われることを理解できます。頂点ごとに貢献利益を計算し比較することが、最終的な最適セールス・ミックスを決定する鍵となります。
【まとめ】
最適セールス・ミックスとリニア・プログラミングの学習ポイントをまとめます。
ポイント1:最適セールス・ミックスの目的 企業が複数の製品を扱う場合、利益を最大化する各製品の生産販売量の組み合わせを「最適セールス・ミックス」と呼びます。
ポイント2:制約条件の種類 製品の生産・販売には、**機械の稼働時間や材料の調達量などの「生産上の制約条件」**と、**市場の需要量などの「販売上の制約条件」**があります。
ポイント3:単一共通生産制約時の決定方法 共通する生産上の制約条件が一つだけの場合、その「制約資源1単位あたり貢献利益」が大きい製品から優先的に生産・販売します。
ポイント4:複数共通生産制約時の決定方法 共通する生産上の制約条件が複数ある場合、単一制約の方法では最適解を見つけられないことがあり、**「リニア・プログラミング(線型計画法)」**という手法を用います。
ポイント5:リニア・プログラミングの要素と解法 リニア・プログラミングでは、「目的関数」「制約条件」「非負条件」を数式化し、それらをグラフに描くことで実行可能領域を特定します。実行可能領域の頂点の貢献利益を比較し、最も利益の大きい点が最適セールス・ミックスとなります。